こうあるべき論

正直な事を言うと陶芸家になった頃からずっと何かが私に取り憑いている。

取り憑いていると言っても、幽霊とか悪霊とかそういう類のものではなくて心の中に芽生えた?もしくは入り込んで来た?・・・そういう感じのもの。

それは・・・

「陶芸家とはこうあるべき」

という漠然とした「思考」であり「願望」であり、「義務」であり「ミッション」であり「目標」であり、かつ「結論」みたいなもの。

あえて「取り憑いている」と表現したのは、絶えず無意識の中にそれが自分の中にあって、いまだかつてその事を意識しなかった日はない故であります。

この「陶芸家とはこうあるべき論」は時代やその日の気分などにより絶えず変化し続け結局のところつかみどころがなく、しかし私の意識の中にある「縛り」みたいな感じで居座り続け、それがプラスになれば良いんだけどたまにマイナスに働いたりする事もあり・・・

これ、よくよく考えてみると陶芸を始めた頃の「こうあるべき」はやはり諸先輩や諸先生をみて、「ああ言う風になりたい」「ああ言う風にならねば」という感じだったし・・・

それが途中からは同僚や同世代の行動などに影響を受け、それがどんどん情報化社会が発達し、自分の周りのみならず世界の陶芸家情勢の情報なども入ってくるようになった。

こうあるべき理想の陶芸家のイメージは自分の中の変化だけでなく、周りの人々の意識変化と相まって大きく変わっていきました。

「陶芸家はこうあるべき」なんて事は元々無く日本全国、世界中の陶芸家が自分の好きなように生きているんだから、定義自体がおかしいのだけど・・・

それでも、今でも、目に見えない「縛り」みたいなものが私から取り憑いて離れない。

自分の作品のスタンスは一貫してブレてはいないんだけど、スタイルやあり方、今後の活動方法や方向性をどうしていこうか?

無意識の中の「縛り」を取り去ってしまえば、今後の展開はもっと大きく、もっと自由になるんじゃないかな?

・・・・とここに来て、工房の大掃除をしながら考えてしまう日々が続いています。

齢56歳・・・・悩めるお年頃???

※下の写真は工房に埋もれていた古代のスプレー缶の数々。こうなると気分はもう考古学者です。(爆)

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