陶芸の面白さは窯を開けて見るまで結果がわからないという事。
しかし、それは陶芸の不確定さを意味していて・・・
火と土に全て委ねて、「後はどうなって焼きあがってきてもそれはそれで良し」と言うのであれば何の問題も無いんだけど、やはり「この色で」という時に狙っていた色と違って出てくると何とも言えなくなってしまう。
先日、生徒さんの器が焼きあがってきたんだけど・・・
緑色になるはずが下の写真のように緑色からは程遠い色になってしまった。
使用した釉薬は「スカイブルー」という名前の釉薬。
どうしてこのようなったのか?という物理的原因は簡単に推測できます。
この釉薬には銅が含まれていて、赤くなった部分は還元がかかってしまい、いわゆる「辰砂」っぽく焼きあがってしまったという事。
問題はどうして、そこの部分だけ還元状態になってしまったのか?って事なんですが・・
わかりません。こんなのはじめてでした。
一番手前にある器は見事?に半分は酸化、半分が還元の2色になってます。
ま、こう言う事を世に言う窯変というのですが・・・
幸い、この作品を作った生徒さんはそれを受け入れて下さり、家で使ってみたら赤くなった器もそれはそれで良かったです。と言ってくれたのは救いでした。
私もかなり長い間、陶芸をやってまいりましたが、未だに火を上手くコントロールする事ができません。困ったもんです。
なんだか量子物理学の「シュレディンガーの猫」の思考実験を思い出しました。
つまり、窯の扉を開けるまではその器がどんな風に焼きあがっているのかは確定してなくて、窯の扉を開けた瞬間に、どんな風に焼けているかが確定する!という・・・
普通に考えたら「なんじゃ?そりゃ?」ってな話なんですが・・・
見た時に初めてそれが存在する。見てない時は存在しない。
月も見ている時は存在するが、見てない時は月は存在しない?ってな話で・・・
かのアインシュタインもそんなバカは事があるか〜!って言ってたんだけど、結局アインシュタインはこの量子物理学に屈してしまうんだよね。
ま、どうでもいいか!?笑
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