体験でご飯茶碗を作る難しさ

一回の体験陶芸教室でご飯茶碗を作るというのは思っている以上に難しい。

なぜなら、茶碗には高台があり「紐作り」や「玉作り」では高台部分を短時間内で作るのは物理的に難しいからであります。

仮にドライヤーなどを使い強制乾燥させて高台削りをやったとしても、軽くて実用的なご飯茶碗を短時間で作るのはプロでもかなりきびしい。

ましてや、初心者が紐作りでご飯茶碗を作るというのは、今日鉄棒を始めた人がいきなり伸身月面宙返りをやるのと・・・

はたまた、今日から英会話を始めた人がいきなりアメリカ大統領と中国との貿易摩擦の話題について話すのと同じくらい・・・とにかく難しいのねん。

そもそも紐作りでお碗の形にするだけでも初心者には難しく、ほぼほぼ間違いなく鉢かお皿になってしまう。

そこで私が思い浮かぶ最善の方法はたたら板で土の厚みを均一にし、型にはめて成形し、付け高台で仕上げるという方法。

これならどんな素人でも、形にする所までは失敗も少ない。

しかし、簡単に作れると今度は陶芸の等価交換というべき洗礼を受けてしまうのであります。

いつも私が生徒に言ってる言葉に・・・「楽した分、リスクが増える」がある。

特に「たたら作り」というのは諸刃の剣である。

簡単に成形できる分、後から反ってきたり、歪んできたり、切れやすかったり・・・と次から次へと問題が出てくるのであります。

その点、ろくろ成形ほど簡単なものはないです。

粒子の流れがほぼほぼ均一になっているし円形であるから乾燥も偏る事はなく、かなり乱暴に急激乾燥させても無事な場合が多い。ろくろ成形なんて「慣れ」さえすれば誰でもできる。

話を元に戻します。

簡単にご飯茶碗の形はできたものの、高い確率で歪んでしまうのを回避する方法はいまだにわかりません。

ゆっくり乾燥させたり、土を伸ばす時に中心から放射線状に伸ばすとか、伸ばし棒を使わずに手で叩いて伸ばすとか、回避行動はいくつもあるものの、それでも完全に反りとか歪みは解消できません。

本日はご飯茶碗を作りたいと来られた体験者さん達。

熟慮した上に選んだ制作方法は「たたら作りでご飯茶碗を作る」です。

無事に焼き上がってくれる事をひたすら願うばかりです。

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