昨日、NHKで再放送された「曜変〜陶工・魔性の輝きに挑む」という番組を見てました。(6月に放送されていたんだけどその時は見損ねた)
世界に3つしかないと言われている「曜変天目茶碗」
ま、この茶碗の説明はもはや必要ないでしょう。
そんでもって、この番組はその曜変天目の再現を目指す陶工(陶芸家)の話がメインでした。
親子二代にわたって研究を続けて窯に火を入れ続ける事は、私が窯に火を入れるのとはまったくもって意味合いが違う事で、同じ焼き物の分野という気はしませんでしたね〜。
なぜなら、曜変天目の再現というのはオリジナリティーがどうのとか、創意工夫とかではなく、忠実に全く同じものを焼き上げるという、化学・考古学・・・あえて言うなら錬金術のような分野のように思えてきます。
それを個人で再現しようとしているんです。
成功すればすごい事なんでしょうが・・・
番組の途中で奥様がご登場されるのですが、ナレーションはこんな風に進んで行きました。
現在、まとまった収入が無く貯金を切り崩して生活しているという。
「いつやめてくれて普通に生活 ・・どこかお勤めに行ってという生活になっても、全然いいなと思っているんですけど・・・」 って奥様が言うと・・・
「そのほうが あんたはいいんでしょ」・・って曜変天目の再現を目指す旦那さん。
奥さんはパートの仕事をしながら、旦那さんを支えてきたとの事。
私はこの番組の中でこの陶芸家夫婦の会話が一番印象に残りましたね。
こういう書き方をすると怒られるかも知れないけど、誰も曜変天目の再現をやってくれと頼んでいるワケではない。
陶芸家みずからすすんで生活苦を覚悟で再現に命かけてる。
奥さんにとっては曜変天目の再現よりも普通の安定した生活を望んでいるんじゃないかな〜?って思ってしまう。(もし、間違っていたらごめんなさい)
いや・・もう途中から、再現そのものよりも再現の「過程」に生きてるって思えてきました。
ルパン逮捕に命をかける銭形警部だが、ルパンを仮に逮捕したらもう銭形のとっつぁんの生き甲斐や人生の目的がなくなってしまうのになんか似ている。
絶対にルパンは捕まらない。
(実はルパンは銭形に何回も逮捕はされているんだけど、この場合細かい話は無し)
だからこそ銭形は追う。
どうして山に登るのさ?そこに山があるからさ。
どうして曜変天目の再現を?そこに曜変天目があるからだ。
途中・・・頭の弱い私は・・・禅問答になってきます。
曜変天目茶碗の再現に成功したっていうニュースは以前にもあったような気がするんだけど、今もって再現に挑戦っていう事は100%の完全再現じゃなかったって事???
すみません、私は曜変天目の再現に全く興味がないので詳しい事はわかりませんが、南宋時代の焼き物を忠実に再現するって・・・
もし、仮に意図的に焼いていたとしたらどうして世界に3つしか残っていなんだろう?
そんな綺麗な器なら・・・自分なら・・・適当数作って売って儲ける。
やっぱり偶然性が高いんじゃないかな?
曜変天目茶碗が意図的だとしたらはじめの一碗から曜変を狙って作ったという事になる。
しかし、はじめのから無いものを作ろうとは思わないワケで・・・多分、偶然に出てきた可能性はかなり高いんじゃないかな?って想像してます。
もし、偶然の産物だとしたら再現もまた偶然性が求められる気の遠くなるような作業ですね。
私は・・・美味しいビールが飲めればそれだけで満足です。
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