酸化と還元

実はここ一ヶ月・・・窯に火が入っていない。

ここで言う窯というのはガス窯の事で1立米と0.3立米の窯の事。

(干支などの小さい作品は全て小さな電気窯で焼いていました。)

作品を窯で焼く場合、酸化焼成と還元焼成の二つの焼き方があって、私の場合小さいガス窯の方を還元用。大きいガス窯の方を酸化用にして使っています。

酸化焼成の特徴としては、色がコントロールしやすい事。歪みが少ない事。温度調整が容易などメリットがある反面、焼き締まり方が還元焼成に比べてゆるい、青磁や辰砂などの色が出ないなどの面もあります。

陶芸体験の人達は、基本的に食器(皿や鉢、湯のみ、飯碗)を作るので、より焼き締まり、丈夫になる還元焼成で焼く事にしています。

しかし、焼成するには窯の中がスカスカでは焼く事ができません。基本的には窯の中を一杯にする必要があるのですが、当たり前だけど作品がなければいつまでたっても窯を一杯にする事ができません。

だったら・・・

わざわざ酸化焼成と還元焼成に分けなくても、比較的コントロールしやすい酸化焼成に統一すれば良いものを・・・やはり、うちで作っていかれた作品を少しで丈夫で永く使っていただきたいと思うと・・面倒なんだけど、還元焼成で焼いてやらねば・・と思っちゃう。

そうなると、還元焼成用作品が窯に一杯分必要になってくるんだけど、年末になってくると陶芸教室っていうのは世間と反比例してどんどん暇になってゆく(爆)

これは陶芸教室を15年以上もやってきて、統計学上導き出された傾向なんです。

陶器の量産工場なら毎日のように窯が稼働しているんだけど、私のところのような、中小企業・・・いやいや、零細企業・・・いやいや素粒子レベルの工房だと窯をいかに稼働させるかというのも、実は悩みの種だったりするんですよ。

別に酸化焼成が悪いってワケじゃ全然ないので、変なこだわりさえなければ小さい電気窯でササッと焼けばもっと自分が楽になるのに・・・

なんか、こういう所だけ高倉健の・・・「自分は・・不器用ですから・・・」っていうセリフが身にしみるのです。

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