産業廃棄物

陶芸家をやっていると当然ながら失敗作が出てくる。

失敗作や焼き損じなど一個も出ないという人は一人もいないと思う。

一個や二個なら一般ゴミで捨てれるけど、そこそこ大量になるといわゆる産業廃棄物というカテゴリーになってくる。

特に今回・・私の場合は工房大改革に伴い大量の陶器ゴミが出ました。

うちの場合、産業廃棄物用の大きな鉄でできたボックスがあり、ためていって一杯になったら業者さんが持って行ってくれるシステムになってます。

当然ながらお金もかかるが致し方ないでしょう。

私以外の陶芸家さんはどうしているんだろう?細かく砕いて一般家庭ゴミとして処理しているのか?

よくある陶芸家のイメージで作品が焼き上がってきて気に入らないとバリバリと割っているのがあるけど・・・

そして一切の二等品やB級品、キズ物は排出しないという厳格なルールを決めている作家もいるでしょう。

それぞれの価値観があり考え方がありますので、好きにされれば良いと思いますが・・・

それってよくよく考えれば・・・失敗作って自分のミスであり、力不足であり。

そのために破砕ゴミが出てしまう。

まあ、どうしようもなく割れたり、変形した作品は処分の対象となるが完品ではないが割って捨てるほどでもない作品が一番処分に困るのであります。

この話は大昔私のホームページにあった「陶芸家の独り言」というコラムに書いた事があるんだけど、その当時からやっぱり考え方が変わっていないのでこうやって同じ内容で書いています。

私も個展等の発表の場では、その時点において自分のベストの作品だけをチョイスして展示します。B級品が並ぶという事はありません。

ただ、先程も書きましたが捨てるほどでもなく、だけど自分の基準で完品ではない作品をどうするか?という問題で私の場合はアウトレットとして値段を少し落として販売したりしてます。

もちろんお店でではなく、うちの工房に来てくれた人が対象となるんだけどね。

自分のブランド名に傷をつけたくないから、一切の妥協はしないというのも聞こえは良いけど、私は失敗作にも命を吹き込むようにしてます。

正直、自分の中に葛藤がないかと言えばウソになります。

「お前は作家としてのプライドはないのか?」と言われれば、「そうかもね」としか答えられないですね。

「モノを大事に!」「モノに今一度命を吹き込む」って古く欠けてしまった作品に金継ぎで直す事は大いに珍重される割には・・・

でもはじめから歪んだり、ちょいキズのある作品は廃棄処分っていうのはなんだか矛盾した事のように思えて仕方ないのですがいかがでしょうか?

下の写真は焼き上がりの段階で不合格となってしまい、絵付け作業に移行できなかった作品達。

しかし・・・今月28日にうちで開かれる蔵出し市のために、絵付けを施し「敗者復活戦」に臨みます。

もちろんお値段は「敗者復活戦価格」です。

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