IさんとMさんの事

IさんとMさんは歳が少し離れたコンビだった。

自分たちでもお互いの事を「相棒」と言っていた。

二人とも初めは違う陶芸教室に通っていたんだけど、なぜかうちの陶芸教室に通ってくれるようになった。

それがある日突然にIさんはこの世を去ってしまった。享年61歳。

お昼に陶芸教室にいたのに夜には異郷の人になってしまった。

突然の、そしてあまりにも若い死に、取り残された相棒のMさんも「相棒がいなくなってこれから一人で陶芸教室に通う事になるな〜」って言ってた。

Iさん亡き後、陶芸教室ではよくIさんの話が話題になったんだけど・・・

その都度「今頃きっとこの辺にいて(教室の天井あたり)上からこっちを見て俺たちの話を聞いてるよ!」とか「あっちで(天国)で陶芸やってるよ」ってよくMさんがそう話をしていた。

だから冗談半分で「お〜い、Iさん!聞いてる〜?」って天井に向かって呼びかけて皆で笑ったものだった。

・・・だから人間が死んだ後はどうなるんだろう?的な話もMさんとよくしたものだった。それと同時に「人間長く生きても人生の何たるやなんてま〜ったくわかんない」とも言って、Mさんは周囲の生徒さんを笑わせていた。

そのMさんもまたIさんのように急にこの世を去ってしまった。享年77歳。

二人とも「それじゃ〜、また!」が最後に交わした言葉。

もうMさんが亡くなって2年ほど経ってしまっているんだけど、今は亡き二人の事を思い出し、ひょっとして教室の天井あたりからこちらの様子を伺い見てるんじゃないか?って思う時があり、(Mさんがそう言ってたし) 声には出さないけど「お〜い、聞いてる〜?」って呼びかける時もあるんよ。

自分の中にはまだ二人の面影はあるし、声だって鮮明に記憶している。

しかし、この世にもう二人はいないし、もう会う事は叶わない。

こういう寒い時期・・・曇って暗い日・・・静かな教室に佇む時・・・

ふと死んでしまった人の事を思い出すのはこの世の「無常」に対しての無力だけど微力な抵抗なのかも知れない。

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